2年前くらいから、東海カーボンの滋賀工場停止、日本カーボン富山工場の火災事故、ついには三菱化学が坂出のニードルコークス含むコークス事業から来年末で撤退、と炭素・黒鉛の生産面を取り巻く環境はどんどん悪くなってきている。
一方、AIへの対応でのデータセンター需要、電気自動車以外の蓄電池関係の需要、この辺りが大いに半導体やバッテリー関係の需要を押し上げていることで所謂特炭需要も活気づいてきている。製鉄関係は高炉製鋼から電気炉製鋼への転換が進んできており、コークス減産に伴う炭素・黒鉛の原料は減産傾向の一方で黒鉛電極需要は増加し始めそうであり、また、政府が造船事業を後押し始めたことも鋼材需要を押し上げそうである。
皮肉なことに、炭素・黒鉛産業の低迷で各社が対応してしまった後になって、需要が増える状況、、、
一方で、中国は最近かなりの部分の黒鉛材料を日本向けに実質輸出禁止にしてしまっており、逆に日本は昨年来中国産黒鉛電極をアンチダンピング課税し、日本に黒鉛が入ってきにくい状況を日中双方で作り出してしまっている。
アジアで残る炭素・黒鉛生産国はインドとなるが、米国でのアンチダンピング課税から逃れることができたらしく日本向より米国向けが優先されているそうである。


次回以降で数字を使った考察をしてみようと思うが、現時点の日本では状況が歪に関連しあって、結果的に来年末のニードルコークス・ピッチコークス生産量の大幅減に向かって、国内生産だけでは需要のどこかに穴をあけてしまう事態となるだろうと予想される。足元ではイラン情勢も炭素・黒鉛生産の足を引っ張る状況を助長していると思われるので、これが長期化しないことを祈るばかりである。
重要なポイントのまとめ
日本全体で見れば、炭素・黒鉛需要は堅調さを取り戻してくるように見えるが、物理的に製造能力をこの数年で減らしてしまい、輪をかけて原料生産能力すら減少に向かう状況はかなり残念な状況であるが、致し方ないのかもしれない。
先行きを考えると如何に「あてにできる」海外ソースを確保するかということになると思うが、未だ間に合うだろうか?


コメントを残す